ゴールデン・グローブ賞も受賞して、ますます注目されている映画『レ・ミゼラブル』。私はお正月に観てきました。
上映時間158分という長さを感じさせない迫力の映像と場面展開、オリジナルにかなり忠実な楽曲、全く飽きることなく観ることができました。最後の方はもう号泣で、一緒に観た妹に呆れられるほど…ヒュー・ジャックマンのジャン・バルジャン良かった!
とはいえ、大泣きするのと作品を好きかは別問題。これだけ世の中で評価されてるからなんだけど、やっぱり舞台俳優達の歌にはかなわないな〜としみじみ思いました(ヒュー・ジャックマンは別ね)。名だたる俳優の競演で、皆様本当に演技が素晴らしくて役を生きているのに、いざ歌いだすと覚悟はしていてもどうしても…感情が一番高ぶるところを歌うわけだから、余計にギャップを感じてしまうのかも。特にラッセル・クロウは声が良いだけに残念。ジャベールはバルジャンと同等の迫力が欲しいからな〜。演技はあんなに迫力あるのに。あとマリウスも、あのイギリス人おぼっちゃまにマイケル・ボール(初演マリウス)の半分でも歌唱力があれば…
私のレミゼ観劇は東宝版一度きりだから舞台を語れる立場ではないかもしれない。むしろ私にとってのレミゼはロンドン初演版のCDであり、10周年記念コンサートの映像。どちらもある意味スペシャル過ぎるものではあるのだけれど、それに慣れているとなかなかハードルが高くなってしまうのです。音楽、歌が重要な作品だし、本当に本当に素晴らしいんだもの。
とはいえもちろん映画の良さもあります。とにかく映像の力に圧倒されました。もともとセットの少ない舞台だから、想像できなかったことが具体的に見えるってやっぱりすごい!あんなに大きなドッグでどばんどばん水かぶってるバルジャン初めて見たよ…逆に学生達の革命の規模の小ささには切なくなりました。あんなに壮絶に美しく痛々しいファンティーヌはいなかっただろうし(初演はパティ・ルポンだし。たくましすぎ)、テナルディエ夫妻のホテルが意外と大きいことにはびっくりした。下水道もすごかった…
それに司教様が初演バルジャンのコルム・ウィルキンソンというサプライズ(?)も!
アカデミー賞もあるからまだしばらく盛り上がりそうだし、映画を通してでもミュージカルが注目されて活性化されたらそれはまた良いこと!作品としてはとても見応えあります!